症例15 奈良県生駒郡三郷町在住 30代女性
肩こりと腕のしびれだるさの症状
当院のクライアント様からのご紹介で来られた方です。
初検時、お話をお聞きすると、二年前から右肩のこりと右腕全体に、だるさしびれが出始め、最近特にその症状が強く出ているとのことでした。
現在、仕事を探しておられ仕事が決まった時に今の状態では支障が出るのではと不安をお持ちでした。
姿勢観察をすると右の肩甲骨と右の骨盤が上がっている状態で、右肩もかなり前に巻いている状態でした。
また、右肩の位置異常があるので右肩の可動制限がありました。
肩こりと腕のしびれだるさの整体
初検時、まず初めに整体で右前腕部から上腕部の筋膜調整をし、その後に右肩甲骨と背骨、肋骨、右肩関節、右鎖骨の調整をしました。
特に右側の第1肋骨と第2肋骨が上方変位し腕神経叢の絞扼障害(神経圧迫)が疑われたので、右側の第1第2肋骨と斜角筋と小胸筋の調整を念入りに行いました。
整体後特に自覚できる変化はなかったのですが、二年間も持ち続けている症状なので初回の整体を終了しました。
一週間後に来ていただき二回目の整体も前回と同じ部位の取り切れていないところを調整し、その日はここで整体を終了しました。
また、一週間後に来ていただき、3回目の整体は反対側の左の肩甲骨の位置異常があったので、そこを中心に調整しました。痛みとしびれを出している部位は右側ですが、筋膜の繋がりの関係で反対側が引っ張っていることは臨床上よく見られます。
特に肩から腕にかけての痛みやしびれ、五十肩、野球肩は反対側が原因していることが多いように思われます。
さらに、1週間後に4回目の整体を行いました。
この日、来られた時は腕の痛みしびれが軽くなったとおっしゃられていましたが、右肩のこりと痛みはまだ気になるとのことでした。
4回目の整体は上方に変位している右の骨盤と右の腰の筋膜調整を中心に行いました。
右の骨盤の上方変位が右腰の筋膜の捻じれが原因していると考えての調整です。
4回目の整体後は肩こりと右肩から腕にかけての痛みやしびれは、ほぼ消失したので、そこで施術を終了しました。
5回目の整体は右側の症状に関係の深い肝臓の疲労を調整しました。
仕事も決まったということだったので、これで様子を見てもらうことになり、今後は1か月に1回の歪みチェックと整体でケアし、良い状態を持続することをおすすめし施術終了としました。
肩こりと腕のしびれだるさの考察
今回の方の肩こりと右腕全体の痛みとしびれの症状には、右腰の筋膜の捻じれが深く関わっていたように思われます。
右腰の筋膜が右肩から腕の筋膜を引っ張る状態が長く続いていたと考えられます。
上半身の痛みやしびれの原因が下半身にもあるという症例でした。
人の身体は全身筋膜で繋がっているのでこの反対も言えることです。
良い経験になりました。
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院長 武本昌史(柔道整復師