症例145 奈良県北葛城郡河合町在住 80代女性
高齢者のぎっくり腰の鑑別
当院に以前も来られていた方です。
以前は座骨神経痛で来られていたのですが今回は腰を傷めたということでした。
お話をお聴きすると自宅でご主人が転びそうになるのを後ろから支えたが、支えきれずにご自身が転んでしまったということでした。
ご本人は後ろに転び尻もちを着いてからぎっくり腰になったと仰られていました。
症状はご本人が言われるようにぎっくり腰の症状に類似していました。
しかし発生機序と年齢的から推察すると脊椎の圧迫骨折の可能性があると判断しました。
ご本人は骨密度はすごく良いと言われたのですがレントゲン検査をおすすめしました。
後日連絡があり脊椎の圧迫骨折だということがわかりました。
高齢者のぎっくり腰の鑑別の考察
高齢者の急性腰痛はかなりの確率で脊椎の圧迫骨折の可能性があります。
特に転倒してもいないのになぜ腰を傷めたかわからないという場合でもその可能性はあります。
転倒して傷めた場合はさらに可能性が高まります。
当院では60代半ば以上で急性腰痛(ぎっくり腰様の症状)の方は転んだ等の発生機序がなくてもまずレントゲン検査をしてもらうことにしています。
高齢者の脊椎圧迫骨折をぎっくり腰と判断し施術することは我々施術家は絶対に避けなければなりません。
そのためには鑑別力を高めることと、たとえ違っていても「疑わしきは罰せよ」という勇気ある行動が必要だと感じています。
たけもと接骨院・整体院
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院長 武本昌史(柔道整復師)